老舗メイドカフェ「あっとほぉーむカフェ」による聴覚障害者向けのメイドカフェ体験イベントが、2025年6月8日に都内で開かれた。
なぜメイドカフェが聴覚障害者向けのイベントを行ったのか。メイドのまゆみさんは、過去に耳の聞こえない「ご主人様」や「お嬢様」と接する中で、「本当の意味で楽しんでもらえていたのか」と不安を抱えており、それを相談したことがイベント開催のきっかけになったと説明している。
メイドも「緊張」、開催中は手話を教わる場面も
イベントを主催したのは、「あっとほぉーむカフェ」を運営するインフィニアと、落合陽一氏が代表取締役会長CEOを務める「ピクシーダストテクノロジーズ」だ。
イベントでは、ピクシーダストテクノロジーズが開発した、会話内容をリアルタイムで文字変換して表示する透明なディスプレイ「VUEVO(ビューボ)ディスプレイ」を使って、メイドたちがイベントを訪れた聴覚障害者やその家族に「ご給仕」。ドリンク提供やチェキ撮影、メイドに勝った人にはプレゼントが渡される「萌え萌えじゃんけん」などを行った。
大人から子どもと幅広い年齢層の人が参加し、メイドが参加者から手話を教わる場面もあるなど、双方楽しそうに交流する様子が見られた。
イベント終了後、参加者の男性は「メイドたちが手話に積極的なのがよかったです」と感想を話した。別の参加者の女性は、「『萌え萌えきゅん』といったわかりやすいフレーズをはっきり使ってくれ、参加しやすかったです。言葉もかわいらしく、気持ちがはずんだ」と伝えた。
メイドのみづきんさんは、普段以上に表情や話すスピードに気を付けたといい、参加した「ご主人様」や「お嬢様」が楽しそうにする様子を見て「話す前は本当に緊張しましたが、ご主人様やお嬢様がすごく温かく迎えてくれて、私たちの方が緊張をほぐしてもらいました」と話した。
メイドのこめこさんも、「(参加者と)話すなかで『これはどういう手振りなんですか』とお聞きしたら、とても優しく丁寧に教えてくださって、その時間も楽しかったです。勉強になりました」と振り返った。